Living Loving Leuven

溜池や ナマズ飛び込む 水の音

農園散歩&ミーティング

 研究者のBが、共同経営に出資している農園行くのに誘ってくれました。年間契約で、一定額を支払うと、勝手に畑で野菜を収穫していいそうです。なんと、この農園を始めたのは、KU Leuvenの元研究者だそう。理念的なコーポラティブな生活共同体の実践活動だということでした。もちろん、有機農法ですが、きれいでよく整備された農園でした。
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 ちょうど芽キャベツの収穫シーズンだったので、私もBの摘み取りを手伝います。
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 Bは収穫に集中していますが、私はのんびり土を触ったり、虫と遊んだりしていたので、あまり役には立ちませんでした。
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 芽キャベツはわけてもらって、後日、スープに入れました。
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 立派な温室もあって、ここではルッコラや水菜、ほうれん草を育てています。こちらでは、こういう葉物野菜を「Salade(サラダ)」と総称するんですね。私はほうれん草は茹でてアク抜きするか、煮物に使いたいので、「サラダ……ではないが」と思いつつ、こちらも収穫。
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 農場では乳牛も飼っていて、ミルクやチーズも生産しています。きれいで、大切にされているのがよくわかる牛でした。
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 午後からは、Bが関連団体のディレクターEに紹介してくれました。在宅ワークでだいぶん参っているという話。Bとも言っていたのですが、もともと知り合いである相手とオンラインでコミュニケーションを取ることはできても、初対面だと関係構築するのはとても難しいです。そして、情報交換はできても、深い対話には至らない。オンラインは便利ですが、コロナ渦も1年以上経過して、限界もはっきり見えてきています。
 そして、私の今、オンラインで参加しているトレーニングについて話すと、「それは主催者にフィードバックをすべきだ」とアドバイスを受けました。特に有償のトレーニングはクオリティ・コントロールが大事だが、今はオンライン化で講座の雨後の筍のごとく乱造乱発されており、非常に危機的状況にあるという話でした。
 私は自分の語学力への不安もあって、言いにくい気持ちがあったのですが、そういう立場であっても発言すべきことは積極的にやったほうがいいのかな、などと考え直しました。
 そのあと、会話の中で、「あ〜、本当に英語だからもどかしい。私はとってもおしゃべりなんだよ、本当は。だから、今はフラストレーションでいっぱい」というと、Bが「じゃあ日本語で喋ってみてよ」というので、関西弁で高速で喋ると、二人とも「ほんとだ!」「いま、何文喋ったの?!」と大笑いでした。そのあと、Bが「日本語で、わかってないのに、ウンウンって相槌打つのって、なんていうの?」と聞くので「『そうですねえ』かな」というと「OK、やってみよ」と言い出します。そして、私が日本語でまくし立てるのに、BとEがうなずきながら「そうですねえ」「そうですねえ」と言います。
私「だから、私が言いたいことは、もうこんなんやってられへんってことですよ」
B,E「そーですねえ」
私「いつまでも、同じところでとどまってられへんでしょ。次にいかなあかんでしょ」
B,E「そーですねえ」
 今思い出しても、吹き出してしまうんですが、日本語で話すと「そうですねえ」と頷く二人が可笑しくてたまりませんでした。もうゲラゲラ笑って、息が苦しいくらいでした。それまでのフラストレーションが吹っ飛ぶくらい、笑いました。
 家に帰ってから、なんて優しくて機知に富んだ人たちと、私は時間を過ごしているんだろう、と思いました。ここに来てよかったな。きっと、ここでもいいことばかりではないけれど、こういう思い出の積み重ねが、自分を支えてくれるのだろうと思います。