Living Loving Leuven

溜池や ナマズ飛び込む 水の音

ホームシック? それとも秋の兆し?

 今日からまた、オランダ語学校の授業再開です。でも、今週の私はちょっとモードが違う。妙に先生の言葉に引っかかったり、すごく自分がステロタイプな日本人として扱われていることに、不満を抱いたり……なんとなく、自分の機嫌が悪くて戸惑います。もちろん、大人なので表情や会話には出さないのですが、「ああやだな、早く家に帰りたい」と思ってしまうダウナーな気分。
 もしかして、これってホームシックなんでしょうか? パートナーと過ごした夏が、とてもとても楽しくて、それが終わってしまって寂しいのは間違いありません。でも、仕事は山ほどあるし、センチメンタルにはなってないつもりでした。週末にはいくつかオンラインで飲み会をして日本語でゆっくり自分の進路に話し合ったり、懐かしい仲間たちと心を開いて話をしたせいかもしれません。まだまだ英語で不慣れだし、「新しい人間関係作り」はそれなりに疲れます。やっぱり日本語なしに、リラックスして自分の話をするのは難しい。
 同時に、日本の研究関係でちょっとしたトラブルもあり、「ああ、私は日本ではやっていけないのでは」という悲観的な考えも頭にチラついています。ベルギーで本当に楽なのは、差別や暴力に敏感で、私がいちいち気にしなくても、誰かが問題があれば指摘してくれるところ。ここ数ヶ月、そういう環境にいるので、日本の配慮のない研究者の発言に抗議して、それを正面から検討してもらえないことにどっと落ち込んでしまいました。
 そうなると、自分が日本にもベルギーにも不満を持つわがままな人間に思えたり、どちらにも居場所がないと感じたり……私は日本が好きなんだか、嫌いなんだか。そもそも、自分の外見がめちゃくちゃアジア人で、英語も上手くないので、相手が気を使って「寿司は好きか?」とか話を盛り上げようと質問してくれるんだけど、こっちは20回くらい似たような会話をしていてうんざりだとか、でも「私が英語がもっと上手ければ解決するのに。自分のせいだよ」とか、どんどん余計な思考が派生していって、ネガティブな気分になってしまいます。
 でも、重要なのはこれが「気分」でしかないこと。事実ではないのです。
 実際には、ベルギーではほかの研究者たちは、私にとても親切で、一緒にカフェでおしゃべりする仲間もいるし、今私がなにか悩んでいるといえば、すぐに時間を作ってくれるだろう同僚もいます。滞在延長を検討中ですが、それについて受け入れのスタッフは暖かく対応してくれています。日本でだって、私に期待したり、信頼してくれたりしている研究者はいるし、仕事だってたくさんもらっているのです。何も心配することはなく、すべて上手くいっています。
 なのに、なんだか気分だけダウナー……。急に寒くなってきて、秋の兆しがあるので、無意識に「憂鬱な冬」の気配を感じてるのかもしれません。単純に疲れているだけの気も……
 なんにせよ、ちょっといい感じではないので、大学の無料の傾聴サービスに申し込んでみました。メンタルヘルスのサポートでオンライン通話のサービスがあるのです。私は学生ではないので、利用できるのか、まだよくわからないのですが、受付はされたようです。大袈裟な気もしますが、どうでもいいことで相談しておけば、本格的につらくなったときに便利なので、試してみようと思っています。
 そして、今日は気分転換に大学近くのカフェでナッティラテを飲みました。このお店は大好きで、スタンプカードも作っています。おまけでくれるミニ焼き菓子もとても美味しいです。甘いラテでちょっと幸せでした。
wp.montcafe.be