Living Loving Leuven

溜池や ナマズ飛び込む 水の音

語学学校どうしよう?

 今日から、オランダ語の語学学校に再び通うつもりだったのですが、週末のテンションの上がらない憂鬱さを引きずり、前日の夜はかなり「行きたくないモード」になってしまいました。先月までのように自分がオランダ語を頑張れる気が全くしません。朝6時に起きて、予習をしてから学校に行って、午後は研究をして、帰って復習をして、脇目も降らずご飯を食べてヨガをして眠る毎日。先週までは、私にとってオランダ語の学習はとてもやりがいがあったので、楽しくそんな生活をしていました。
 ところが、まさかの急転直下で、こんなことになってしまい、全然モチベーションが上がらなくなってしまいました。私は日常生活ではオランダ語ができなくてもなんとかなります。何より、そろそろ本腰を入れて研究に集中したくなっているところに、オランダ語の学習の負担はとても大きいものになります。
 そもそも、私は軽い気持ちでオランダ語の学習を始めました。文化理解と友達づくりが主な目的です。もし、履修中に不合格になれば、もう一回、受講すればいいや、くらいの気持ちでした。なのに、今回の一件で、すごく頑張らないとオランダ語を勉強する気持ちになれなくなりました。そこまでして、オランダ語を勉強する必要ある?という疑問が湧いてきます。
 前日の夜はうつうつと眠れず、当日の朝も早く目が覚めたのに、布団から出る気がしません。せっかくの久しぶりの秋晴れの日なのに、カーテンをしめたまま、ぼーっと天井を眺めて考えをめぐらせます。
「嫌だな、行きたくない」
 行かなくていいのでは? そのまま、ずるずると布団のなかで過ごし、結局、学校に行く時間になってもやる気がせず、無断欠席をしてしまいました。「ああ、休んでしまった」とため息をつきます。
 私は基本的に、自分がやると決めたことは途中でやめません。中途半端にすると、自分自身が気持ちが悪いからです。負けず嫌いなので、イヤな目にあおうと、批判されようと、「知ったことか」「今に覚えてろ」とやり返そうと思う方です。やる気がある限りは……そう、私はやりたいことは、何があろうと完遂しますが、やりたくないことは、急に生乾きの干物みたいになって、全然頑張れなくなるのです。
「しまった、やる気がなくってしまった」
 今回は、そのことを受け入れるのが大変でした。合理的に考えれば、そこまで気負わずにダラダラとサボりながらでも学校に行って、適当にこなせばいいと思います。せっかく1 ヶ月頑張ってきたんだから、あと1ヶ月半、続けて最後までやればいいじゃないか、と。でも、とにかくやる気がないし、やりたくない。残念、私のカラータイマーが切れてしまいました。もう地球にはいられないので、M78星雲に帰るしかありません。
 なかなか踏ん切りがつかなくて、パートナーに電話をしてゆっくり話を聞いてもらいました。かなり泣き言も……。でもいくら考えても「やる気がない」ことは動かしようがなく、ロバを水飲み場に引っ張って連れて行っても、水を飲まない状態です。さらに、冷静に振り返ってみれば、この1ヶ月でずいぶんとオランダ語の基礎的な発音や数字のかぞえかた、文法などをさらったので、あとはDuolingoなどのアプリでぽちぽちと自宅学習して単語量を増やすのでもいいのかなあ、という結論に至りました。この1ヶ月の学習は無駄ということはないでしょう。 
 趣味として楽しく学ぶために通い始めたので、楽しくなくなったらやめる、でいいのかな。ああでも、もったいない! A1レベルの最後まで履修して、ちょっとだけオランダ語ができるという達成感が欲しかったな〜。でも毎日、オランダ語圏で暮らしているわけだし、どうしてももっと学習したくなれば、来年、別の先生のクラスをとってもいいのです。そう思って、「よーし、やめるか」と気持ちが動きました。
 と思ったところに、メール! 放置されていたと思っていた、語学センターからのメッセージです。私の訴えは大事なものだから、あなたの先生と話し合おうと思うのだが、良いだろうかという内容でした。私はすぐに「返信をいただけて嬉しいが、私はもう疲れてしまったのでやめるつもりである。次の機会があれば、また履修したい」と送りました。そのあと、思い出して追伸として「先生には謝罪をいただいて満足している。でも、これからまた来るだろうほかの日本人学生のために、あなたと先生が話し合う機会はぜひ設けてほしい。私は日本人としてではなく、人間として扱われたかった」と送りました。
 そうすると、すぐにメールが返ってきて、「あなたの追伸は私の心に刺さった。私はまさに、語学を教えることは、壁を作ることではなく乗り越えることだと考えている。オンラインでの謝罪と話し合いのチャンスをくれないか」とのことでした。私は、了承してスケジュールを送りましたが、まだ返ってきてないので、どうなるかわかりません。言うても、こちらは物書きの商売なので、つい筆が乗って書いてしまった一言なんですが、私の本音でもあるのでよかったのかもしれません。やっぱり、私が深く傷つき怒りを爆発させたのは、彼女が私という人間ではなく、「日本人」の影ばかりを追っていたからでしょう。目の前にいる私を無視して、彼女は影絵芝居を見ているように、私には感じられました。
 当たり前だけど、これは誰もがやってしまうことです。そして、彼女は率直に謝ってくれたので、私はも彼女へのわだかまりはありません。今日は無断欠席したので、彼女が気遣いのメールをくれました。そういうとてもケア的な人です。これ以上は私の仕事ではなく、スタッフと彼女と今後の対策を話し合ってほしいと思っているので、返信もしませんでした。
 もし、スタッフとの話し合いが実現して、私のフィードバックが今後の語学センターの教育に還元されれば、いろいろ私が葛藤したことも報われるのですが! さて、どうなるか。明日にはもうこの話も決着がつくはずです。