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溜池や ナマズ飛び込む 水の音

日本での入国規制強化

 変異株の危険を鑑みて、日本への外国人への入国が禁止されてしまいました。これは予想外に早い対応で、首相からも、ワクチン接種の時期から考えて日本での感染防御はまだ有効だと予想されるが、情報がまだほとんどないので、一時的に強化して今後の対策を決めるのとのこと。未知の変異株への対応なので、今回の措置は妥当かもしれないと思います。
 現在、話題になっているオミクロン株の発生は、去年のアルファ株の発生を嫌でも思い出させます。私はちょうど去年のこの時期、英国にいました。ちょうどこの11月末に科学者の間ではアルファ株が問題になり始めていましたが、英国首相は経済活動を優先してロックダウンの決断を遅らせました。その結果、凄まじい感染爆発が起き、惨状がおきました。その後、完全に国境が閉じられてしまいます。私は国境封鎖の1週間前に帰国しており、ギリギリのタイミングでした。友人たちも、「どこの空港なら飛行機がとんでいるのか」をチェックして、バスや鉄道をスマホで検索して即押さえて、パッキングをして、と大変な状況だったのを、今でもはっきりと覚えています。
 そういうわけで、変異株の脅威は心配しても、しすぎることはないと私は思っています。他方、国籍の有無によって国境を越えられるかどうかが決まるというのは、いいことではありません。特に、パンデミック以降、はっきりとゼノフォビア(外国人嫌悪)が強まっているように感じています。それはヨーロッパでも同じことのようで、知人から、ベルギーで暮らしている中で、外国人差別にあたる発言を受けたエピソードを、直接聞きました。国の「外部」に敵を定めて脅威とすることは、危険でもあります。
 最近、私が少しずつ肌身でわかってきたことは、欧州内の格差の問題です。ベルギー、フランス、ドイツなどはやはり上位の国で、南欧は劣位に置かれています。もちろん、東欧もそうです。さらに、ほぼ地中海の国々と隣接して、似たような文化を持っているバルカン半島の人たちは、EU外ということではっきりと差をつけた扱いを受けます。そして、今回のパンデミックで、こうした地域格差は、直接的な差別や攻撃にならなくても、チクチクとした迂遠な表現で深まっていきます。もちろん、ロックダウンなどで精神的にきつくなればなるほど、そういうものが表面化します。
 それに、私もそういう話が耳に入ってくるようになったのでしょう。秋くらいまでは、とにかくこちらでの暮らしに慣れるのに必死だったし、あまりそういうものにセンシティブになる余裕はありませんでした。(知らぬが仏の楽しい時期でもありました)やっと、海外生活の二段階目に入ったのかなあと思います。こちらで在住の長い人に聞いていると、3年目くらいはだいたい新しいことが起き続けて刺激がいっぱいとのことなので、しばらくこのセカンドステージのチクチクした感じもよく味わいたいです。
 そんなロックダウンが遠ざかっていた頃に、ブリュッセルでランチした話を記事にしました。なぜか最後はカレーの話です。
namazu-2021.hatenablog.com