Living Loving Leuven

溜池や ナマズ飛び込む 水の音

市街地の様子

 電話の契約のために市街地に行ったので、そのときに観光名所になっているところも通ったので、写真を撮りました。これはルーヴェン名物の芸術的なオブジェです。
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 串刺しにされたカナブン。なんで、カナブンがこんな目に遭ってるのかさっぱりわかりません。
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 おなじみのKU Leuvenの中央図書館。私はルーヴェンへは何度も研究資料の収集で短期訪問していますが、この図書館に入ったことはありません。各学部に専門の図書館があるので、そちらを利用しています。
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 ふだんは賑わっている中心部。ロックダウンで飲食店はクローズし、エッセンシャルではないお店は予約制を取っているところも多いです。食料品店はいつも通りあいているので、それなりに人がいます。
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 晴れると日差しは強いです。
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 アイスクリーム店に行列が! 昨日まで雪が降っていたというのに。こちらの人は少し暑くなるとすぐにアイスクリームを買いますね。「体を冷やしてはいけない」と思っている私は、毎回、ちょっとびっくりします。
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電話の契約をする

 生活では欠かせないケータイ電話の番号。私はiphoneを使っているのですが、ちょうど新しい機種に変更したかったので、「日本で契約しているiPhone」と「SIMフリーの新しいiPhone」の2本を持って行くことにしました。日本の電話番号に仕事の連絡が入る可能性があったためです。なお、海外で使える安いプランなどもありますが、ベルギーでは国内の電話番号が身分証明に使われることがよくあります。こちらの通信会社の電話番号を手に入れることは必須です。
 そして、ベルギーの通信会社のSIMカードは、プリペイドであってもパスポートが必要です。月契約にするには、住民カードも求められます。オンラインや電気屋さんでも契約はできますが、なかなか面倒な手続きのようでした。一番、手っ取り早いのは通信会社の直営店に行くことです。
 そういうわけで、仕方なく、中心街に出ることにしました。まだ自己隔離期間ですが、電話番号がないと、スーパーの宅配サービスすら頼めません。しかも、バスのチケットも電話番号が必要です。仕方なく、1時間ほど歩いて通信会社の直営店に行きました。
 借りている家のWifiがBASEという通信会社なので、そこにSIMカードを買いに行くことにしました。BASEはヨーロッパの他の地域でのサービス提供もしているらしいので、便利そうです。ロックダウン中なので、アポイントメントが必要か本社のカスタマーサービスに連絡したところ、すぐに返信があって、そのまま店にいけば良いと言われました。
「もし混んでたら、別の日に予約をすればOK!」
 軽い調子でこんな返信が返ってきて、「ダメだったら、別の日にまた来いというのか!」と驚愕。のんびりしてますね。でも、日本のように休みが全く取れない社会ではなさそうなので、こんな調子でもやっていけるのかもしれません。
 幸い、BASEのショップはほかに客がおらず、親切な店員さんがすんなりと手続きしてくれました。SIMカードを挿したところ、4Gでサクサク動きます。とりあえず15GBのプリペイドですが、住民カードを手に入れれば月契約で8GBで3000円くらいのプランに入れるようです。

到着後の手続き

 KU Leuvenの人事課の担当者は、着任者のとるべき手続きについてのガイドを送っていてくれました。これはとても役に立ちました。素晴らしい。

First step upon arrival
https://admin.kuleuven.be/personeel/english/international_staff/first_steps_upon_arrival

 ガイドに沿ってやるべきことのリストを書き出しておくとこんな感じです。

1)到着
 受け入れ研究者もしくは指導教員に、少なくとも1週間前には到着日を知らせておきます。
(2)住居を探す
 定住するための家を契約し、住所を確定させます。
(3)市役所への登録
 住んでいる地域の市役所で住民登録をします。
(4)警察官の訪問
 登録した住所に、実際に住んでいるかどうかを、警察官が確認します。確認次第、住民カード発行の手続きへ移ります。
(5)銀行口座開設
 現地で銀行口座を開きます。
(6)保険の登録
 健康保険を任意の会社と契約します。

 そのほか、運転免許や子ども手当についても記されています。
 私は、現地到着前に受け入れ研究者とは連絡を取り、オンラインでの面談の日程調整をすませていました。住居も事前にAirbnbで契約したので必要ありません。
 次の住民登録ですが、コロナの影響で、すべてメールに書類を添付して完了しました。写真もjpgの添付で問題ありませんでした。その日のうちに、Annex49という登録証が送られてきました。なんてスピーディ!
 このさき、警察官が住居を確認次第、住民カードの受け取りの手続きをします。これから、銀行口座、保険の契約が進んでいきます。
 ここまでは、基本的には英語でやりとりできますし、書類さえきちんと揃っていれば何も難しくありません。VISAの取得手続きが煩雑だっただけに不安でしたが、VISAさえ出ていれば、なんとかなるようです。

4月に雪が降ってきた

 新しいおうちに着いて初日と2日目までは春のぽかぽか陽気だったのですが、3日目からは突然の雪。あっという間に積もり始め、すっかり雪景色になってしまいました。
 新参者は朝から嬉しくなってカメラを持ってお散歩に出ました。青みがかった風景に白い雪が映えて、本当に美しかったです。
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 そのうち、白い朝日が……
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 寒そうに見えますが、実は全く凍えません。空気は乾いていて、体が冷え込むこともないのです。不思議。
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 太陽が上がるとあっという間に溶けて行きます。
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 動物たちもぼんやりと立ち尽くしていました。
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 その次の日も雪ではあったのですが、すぐにやんで日がさしてきたので、「これなら大丈夫」と買い出しに行くと、帰り道ですっかり吹雪に。舐めてはいけない……
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 しかし、パウダースノーで服の上に降り積もって雪だらけになるのに、やっぱり寒くないのです。本当に不思議。
 オーナーさんと話したところ、この季節は気温の上がり下がりや、天気の崩れやすさはいつも通りだけど、さすがに雪が積もったのはびっくりとのこと。暖かい雪の日、という珍しい体験ができて私はラッキーでした。

家を借りた

 私はルーヴェンでは、Airbnbで一軒家の一階をワンフロア借りています。駅からバスで20分ほどの住宅地にあります。
 実はルーヴェンは、ブリュッセルまで鉄道で20分という、とても便利なエリアにあります。そのため家賃が高騰しています。特に、ルーヴェン・リングと言われる、円になった中心部ではワンルームの部屋の賃料が15万円から20万円します。もちろん、フラットと呼ばれる安い部屋であれば、8万円から10万円ほどで借りることができるので、学生はそちらに入居するようです。それでも東京並の家賃。
 そのうえ、コロナの影響でロックダウンになれば、部屋の中に閉じこもることになります。私は実は昨年の秋から冬にかけて、別のヨーロッパの某地域で暮らし、ロックダウンも経験しました。そのときには、都市部の真ん中で暮らしており、非常に快適なワンルームマンションではありましたが、高層階のため窓からビル街だけを眺めているのは、あまりメンタルに良いとは言えませんでした。そのときに、散歩がてらバスで公園地帯に行った時、「こういう住宅地のほうがいいな」と心から思ったのでした。
 ちょうどAirbnbで探すと、今のこの家ができました。女性のオーナーさんと、パートナーの男性が同じ敷地内で暮らしています。オーナーさんが、メッセージのやり取りでとてもレスポンスがよく、親切だったのも決め手になりました。
 お昼頃にドキドキしながらおうちに到着すると、すぐに鍵を開けてくれて、施設を案内してくれました。ちょうどイースターの休暇でスーパーなどが閉まっているので、わざわざ事前に「欲しいものはないか」と聞いて、スーパーで簡単な買い物をしてきてくれていました。そして、不慣れな私を、バス停まで連れて行って、バスのチケットの買い方(いまは全てアプリになっているのです!)を教えてくれました。そして、「重いものが多いから買い物が大変」とぼやくと、とりあえずの洗剤などの買い出しに車を出して連れて行ってくれました。
 なんと親切な人なのか。ちょっと感動してしまいました。私が英語も怪しい頼りのない(そしてものすごく若く見える)人で、気にしてくれたのもあるんでしょうが。ありがたく好意に甘えてしまいました。この家にしてよかった!
 私は車を運転しないので、周りにはなにもない環境は不安でもありましたが、大学までもバス一本でいけますし、大きな問題はなさそうです。なにより環境がとても良いのです。
 家から歩いて角を曲がるとこんな原っぱに出ます。ちょうど桜が咲いていてきれいでした。
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 馬場や牧場がある地域のようです。
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 晴れた日は牛がのんびりと草を食むのを眺めるのも良いです。
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 近くのスーパーまでは山道をくだって行きます。帰りは上り坂なので、行きはヨイヨイで楽しく買い物して、荷物を持ってひいひい言いながら帰る羽目になります。
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ベルギー入国

 4月3日にベルギーに入国しました。ただでさえベルギーのビザの取得は煩雑な手続きがある上、コロナ渦で暗中模索しながら、渡航日まで必死に準備してきました。実は一ヶ月前まで、所属大学の事務員さんが、渡航の件で交渉をしてくれているような状況で、当日になってもまだ「行く」という実感がありませんでした。
 パートナーが成田空港まで来てくれて、荷物検査のところで見送ってくれました。映画やテレビドラマでよくある場面のようで、不思議な気分でした。残念ながらコロナの影響で、がらんとして寂しい空港だし、この時期に渡航するのはビジネスもしくは海外在住者なので、独特の空港の賑わいは皆無で、淡々とみんなゲートをくぐっていきます。それでも、何度か振り返ってパートナーのほうを見てしまいました。さすがに一年、会えないというのは、付き合い始めて20年以上なかったことです。(パートナーは、入国規制が緩和され次第、こちらに短期滞在するつもりのようですが)
 ANAの成田ーブリュッセル行きの直行便を使いましたが、子連れが多くて機内はとってもにぎやか。私はいつも寝れないのでスマホにダウンロードしておいた映画を見たり、お菓子を食べたりして過ごしました。フライトアテンダントさんは終始、親切でした。
 そして、入国審査へ。私はビザを持って入国するのは初めてだったので、ドキドキしましたが、ブリュッセル空港の窓口はいつも通り、3分もかからずに通してくれました。「パスポート」+「PCR検査の陰性証明」+「Passenger Locator Form(スクリーンショット)」を揃えて用意していたので、審査官に親指をたてて「完璧」と言われました。よかった、よかった。
 万が一の遅延や再PCR検査に備えて、この日はブリュッセル空港前の前のホテルに泊まりました。レストランはクローズし、いつもなら空港内で開いているスーパーマーケットも早期に閉鎖。夕食と昼食はルームサービスをとることにしました。初めて頼んだのですが、電話にでたスタッフが親切でいろいろと教えてもらって、白アスパラガスのクリームソースがけを頼みました。のんびりできてよかったです。
 困ったことに、空港のSIMカードショップも閉鎖されています。しかたないので、日本のDOCOMOの海外利用の有償パックを使うことにしました。仕事のために電話番号をキープしておいたのですが、よかったです。
 ままならないことも多いですが、とにかく入国できてなによりでした。

出発前夜

 ついに、ベルギーに出発する日がやってきました。本来ならば、4月1日発の成田ーブリュッセル直行のANA便で渡航予定でしたが、フライトスケジュールの変更がありました。しかも、私は関西に住んでいるのですが、伊丹ー成田間のANA便はすべてキャンセルに。ふだんならば、関空から行く手もありますが、KLMしか飛んでおらず、オランダのコロナの感染状況がどうなるか見通しがつきません。そのため、前日に新幹線で東京まで行き、成田で一泊することにしました。
 これは予想より良案でした。私がベルギー入国に際して必要されたのは、「72時間以内のPassenger Locator Form*1への記入」+「48時間以内のPCR検査の陰性証明」+「入国後10日間の自己隔離」です。そのため、この日に成田空港の即日PCR検査を受けましたが、「最速2時間」とうたっているものの、結果がわかるのは4時間後。そんなに混んではいないように見えましたが、これだけ時間がかかるので、余裕を持って受けた方がいいと思います。
 PCR検査の会場の医療関係者のみなさんは、本当に親切でテキパキしていました。机や文房具にいたるまで、常に消毒をしてくださっています。検査は唾液と鼻腔ぬぐい液かを選べました。私は唾液のほうがよかったのですが、「断言はできませんが、入国先の指定がないなら、念のために鼻でやったほう安心かもですね」とアドバイスをいただき、鼻にしました。さすがに慣れてらっしゃるので、そんなに痛くなくてよかったです。(インフルエンザの時は泣くほど痛いことありますもんね)
 検査結果を待つ間に、東京都内に向かって、国内最後の仕事の打ち合わせを一件をすませました。大事な仕事だったので、顔を合わせて話しておいて正解だったかもしれません。オンラインミーティングは便利ですが、繊細な話はやはり会ったほうがよく伝わると感じています。
 そして、成田空港に戻って検査結果を受け取りました、無事に陰性。Passenger Locator Formも入力しましたが、私は入国後の再検査は必要ないとのこと。一安心。
 空港近くのホテルに泊まって、明日の出発に備えます。