オンライン・トレーニング・その後&散歩
前日のセミナーの痛手が残る翌日。でも、主催者からお詫びと、また会ったときに話をしようというメールをもらい、少し落ち着きます。
それにしても、この主催者はとても親切だし、フォローアップもしっかりしていて、本当に尊敬します。自分が逆の立場だったら……
私も講師の立場になることはよくあるわけですが、そのときに参加者からクレームを受けたらどんなふうに対応すべきなのか、いつも考えます。クレームの全てが正しいわけではないけれど、ネガティブなフィードバックをしっかり受け止めて、改善していく必要もある。
私は日本のセミナーなどで、ネガティブなフィードバックに対するフォローアップをもらったことはないので、今回も全く期待していなかったのですが、主催側にしっかりと「改善点」として認識されたことは、ちょっと驚きでした、当たり前のことかもしれないけれど、とても難しいことなので。
逆に言うと、この団体の強みはフィードバックをしっかりと次に繋げていくことなのかもしれないと思います。
それと同時に、いま、こちらの団体や大学も転機には立っていて、過去の遺産ではこの先やっていけないことが見えているのだろうと思います。それは、日本も同じこと。何を守り、変えていくのか。今の世代の直面している共通点だろうと思います。
そして、午後からは山を降りて、Bio Planetへ。ここはビオ食材を中心にしたチェーンのお店です。
https://www.bioplanet.be/nl
ルーヴェンに来た直後に買い物したときには、「この店は私には大きすぎる」圧倒されてしまったけれど、今は落ち着いて見ると「私の欲しいものがなんでもあるぞ」と思いました。
すっかりと春爛漫です。
うちの近所の牛。
菜の花も盛りでした。
オンライン・トレーニング・その3
先週末、BとEにオンライン・トレーニングに対する不満を聞いてもらい、フィードバックすべきだとアドバイスをもらったのもあり、主催者側には正直にそう伝えました。主催者は、問題があったことを詫び、できる限り、フォローアップを申し出てくれました。
それで気を取り直して、第3回に出席したのですが……。前回、休んでいた講師が、ある参加者に「あなたは今回、初めて参加したよね?」と話しかけます。その参加者は、初回は事情があって欠席し、前回はその理由を話して詫び、自己紹介をしていました。そのことも、講師間で情報共有できていかなかったのか。嫌な予感がします。
講義が始まったものの、前回と重なる内容です。私の中で「もしかして、二人の講師はきちんと打ち合わせしていなかったのでは」という疑いが湧いてきます。そして、続いて行われるグループワークで、「これは無いわ」というお題が出たので、ブチ切れてそのまま途中退室しました。
オンラインでのグループワークは、Zoomのブレイクルームなどを利用することで可能ですが、講師の目が行き届かないという欠点があります。もちろん、丁寧にコミュニケーションを積み重ねれば、ブレイクルームでも込み入った話ができるかもしれませんが、前回までろくに交流のなかったメンバーで、いきなり勝手に振り分けられたグループでセンシティブな話題を扱うのは危険です。もちろん、こういうことは、いろんなセミナーで起き得ることですが、私の専門としている領域では、議論で繊細な話題を取り扱う場合の、「セーフガード」についての学習は必須です。それなのに、講師の側が安全ではないグループワークを用意したことに、私は怒り心頭でした。
「こんなレベルのセミナーに、こんなにお金取ってるの?」
もともと、主催している団体に信頼があっただけに、情けなくて泣き出したい気持ちでいっぱい。主催者に「この講座を辞退します」というメールを送り、まだ夕方だったけれど、どうにもならない気持ちのままご飯を食べました。
そのあと、パートナーと電話が繋がったので、話を聞いてもらいました。期待したレベルのセミナーでなかったことも、自分が途中で退室してしまったことも、受講のお金が無駄になったことも、いろいろ気持ちが入り混じっていたので、話をする中で整理できてよかったです。そのあと、近況などを話しました。
私は、滞在中は時差もあるし、お互いの仕事に集中したほうがいいと思うので、ほとんどパートナーとは連絡を取らないのですが、今回は本当に助かりました。
英語ジャーナルの企画編集
去年から、某英語ジャーナルでの特別企画の編集チームに入っています。ほとんど英語論文を書いたこともない私が、編集チームにいるというのは、ちょっと分不相応でもあります。が、大学院時代の元指導教員に、編集チームに誘われたときに、「そろそろ、あなたもそのレベルの仕事に関わっていく時期だと思う」とアドバイスされて、思い切って挑戦したのでした。
そうは言うものの、私は戦力としてはたいして役に立ちません。メイン業務は、業績も多く、非常に積極的で人脈豊富なジュニア研究者がやってくれています。その仕事をそばで見ているだけでも勉強になります。私はコントリビューターを探したり、まわってきたエディターレビューを書いたりしているだけですが、今後は自分がこういう仕事をまわせるようになりたいものだと思っています。
そもそも、その研究者と知り合ったのは、一昨年の去年の国際学会でした。全く知らない、地域的にも関わりのない研究者だったのですが、報告がとても面白かったので、質疑応答の後に少し話して、自分の資料を見せたところ、関心を持ってくれました。そして、一週間後には「ぜひ、企画を一緒にやろう」と声をかけてくれました。とんとん拍子に話が進んでいまに至ります。対面での学会をやってる頃には、こんな出会いもあったんですよね。
オンラインでの対応も大事なのですが、やはり会って話して、「この人はピンとくる」という直感で、ものごとが前に進むこともたくさんありますね。
銀行口座を開く
やっと銀行口座を開きました。ベルギーに来たばかりで、どの銀行がいいのかよくわからなかったのですが、一番の大手らしいINGにしました。ライオンマークが目印です。
www.ing.be
こちらのサイトでINGはいろいろと問題アリということもわかったのですが、単身で英語もろくにできない、海外移住初心者の私は、「今回は勘弁してもらおう」と思いました。
ameblo.jp
ちなみに、INGは無料プランと有料プラン(green account)があります。私はもちろん無料にしたかったのですが、そのためには、いつ届くかわからない住民カードが必要だということなので、手続きを先延ばししたくなかったので、お金で解決しました。年間6000円ということなので、1ヶ月500円でちょっとしたアプリのサブスクリプションと変わらないと思い、お支払いを決意。
メールでアポを取って、INGの支店に行きました。銀行員さんは女性で、スピーディーな英語で説明してくれるので緊張。しっかりと書類を揃えていったのですが、KU Leuvenのスタッフであることを示すものはあるかと聞かれて、一瞬、焦りました。でも、よく考えたらIDカードをもらっていたので、それを見せると「これです」と銀行員さんがにっこり笑顔。持ってきていてよかった〜。
手続きの間は支店内でぼーっとしてました。出来上がったら、大量に書類にサイン。銀行員さんも私が「これも?!」と聞くと苦笑してました。PINはカードと一緒に届いた紙をみて、登録するとのこと。(後日、自宅に封筒でカードとパスワードマシーンが届きました。カードに書いてあるIDをスマホのテキストで送ると、自動でPINが送られてくる仕組みでした)無事に完成して、笑顔でさようなら。コロナ渦だったので、裏口のシャッターから出ていくので不思議な気分でした。
私は一年の滞在予定ですし、研究員としての給与は日本の銀行口座に振り込まれるので、こちらで口座を開くかどうかは、どちらでもよかったのですが、学会やセミナー費用を「口座振り込みでお願いします」と言われることもあるので、念の為、作ったのでした。
農園散歩&ミーティング
研究者のBが、共同経営に出資している農園行くのに誘ってくれました。年間契約で、一定額を支払うと、勝手に畑で野菜を収穫していいそうです。なんと、この農園を始めたのは、KU Leuvenの元研究者だそう。理念的なコーポラティブな生活共同体の実践活動だということでした。もちろん、有機農法ですが、きれいでよく整備された農園でした。
ちょうど芽キャベツの収穫シーズンだったので、私もBの摘み取りを手伝います。
Bは収穫に集中していますが、私はのんびり土を触ったり、虫と遊んだりしていたので、あまり役には立ちませんでした。
芽キャベツはわけてもらって、後日、スープに入れました。
立派な温室もあって、ここではルッコラや水菜、ほうれん草を育てています。こちらでは、こういう葉物野菜を「Salade(サラダ)」と総称するんですね。私はほうれん草は茹でてアク抜きするか、煮物に使いたいので、「サラダ……ではないが」と思いつつ、こちらも収穫。
農場では乳牛も飼っていて、ミルクやチーズも生産しています。きれいで、大切にされているのがよくわかる牛でした。
午後からは、Bが関連団体のディレクターEに紹介してくれました。在宅ワークでだいぶん参っているという話。Bとも言っていたのですが、もともと知り合いである相手とオンラインでコミュニケーションを取ることはできても、初対面だと関係構築するのはとても難しいです。そして、情報交換はできても、深い対話には至らない。オンラインは便利ですが、コロナ渦も1年以上経過して、限界もはっきり見えてきています。
そして、私の今、オンラインで参加しているトレーニングについて話すと、「それは主催者にフィードバックをすべきだ」とアドバイスを受けました。特に有償のトレーニングはクオリティ・コントロールが大事だが、今はオンライン化で講座の雨後の筍のごとく乱造乱発されており、非常に危機的状況にあるという話でした。
私は自分の語学力への不安もあって、言いにくい気持ちがあったのですが、そういう立場であっても発言すべきことは積極的にやったほうがいいのかな、などと考え直しました。
そのあと、会話の中で、「あ〜、本当に英語だからもどかしい。私はとってもおしゃべりなんだよ、本当は。だから、今はフラストレーションでいっぱい」というと、Bが「じゃあ日本語で喋ってみてよ」というので、関西弁で高速で喋ると、二人とも「ほんとだ!」「いま、何文喋ったの?!」と大笑いでした。そのあと、Bが「日本語で、わかってないのに、ウンウンって相槌打つのって、なんていうの?」と聞くので「『そうですねえ』かな」というと「OK、やってみよ」と言い出します。そして、私が日本語でまくし立てるのに、BとEがうなずきながら「そうですねえ」「そうですねえ」と言います。
私「だから、私が言いたいことは、もうこんなんやってられへんってことですよ」
B,E「そーですねえ」
私「いつまでも、同じところでとどまってられへんでしょ。次にいかなあかんでしょ」
B,E「そーですねえ」
今思い出しても、吹き出してしまうんですが、日本語で話すと「そうですねえ」と頷く二人が可笑しくてたまりませんでした。もうゲラゲラ笑って、息が苦しいくらいでした。それまでのフラストレーションが吹っ飛ぶくらい、笑いました。
家に帰ってから、なんて優しくて機知に富んだ人たちと、私は時間を過ごしているんだろう、と思いました。ここに来てよかったな。きっと、ここでもいいことばかりではないけれど、こういう思い出の積み重ねが、自分を支えてくれるのだろうと思います。
カルボーナード再挑戦
やっと週末。ここ最近、スマホでできるゲームにはまっているので、お昼過ぎまで熱中。 コントーローまで買ってしまいました。
Xbox ワイヤレス コントローラー (カーボン ブラック)
- 発売日: 2020/11/10
- メディア: Video Game
うちの辺りは、いくらでも素敵な散歩ロードがあります。すっかり春の日差しでお花も咲いていました。
そして、夜は赤ワインをあけました。日本でも売っているワインのようですが、半額くらいですね。
再び、カルボナード。前回は酸っぱいビールで作ってしまったのですが、今回は有名なベルギービール・デュベルを使いました。日本でも人気が出てきたベルギービールですが、こちらでは1本100円前後で買えるので惜しみなく煮込みに使います。甘みを強めにすると、赤ワインに合う味になって満足です。
そのあと、ついにベルギーのチョコケーキ。バタークリームなので、こちらも赤ワインにあいます。
オンライン・トレーニング・その2&オンライン・ワークショップ
2回目のセミナーでしたが、二人いるはずの講師が一人に。予定がつかなかったそうですが、4回しかないセミナーでそれはまずいのでは?と思いつつ、スタート。そして、もう一人の講師ではないはずの参加者が、メインのスピーカーとなり、プレゼンも始めます。いったい、どういうプログラムの構成なのか、よくわからなくなってきます。しかも、一方的な講義が続き、参加者同士のコミュニケーションができないので、みんな勝手に共有のチャット欄や個人チャットで交流しています。
内容のレベルもだんだんと疑問があるものに……。私は飽きて、後半はカメラをオフにして聞き流していました。お値段の高いセミナーなだけに、ちょっとがっかりしながら終了でした。
その後、別のオンラインワークショップに移行。こちらは内容的には素晴らしいし、知り合いの研究者のコメントもキレキレで大変勉強になりました。でも、やっぱり、オンラインでのやりとりは、十分ではなく……。それぞれの意見が表明されただけで、対話が進んでいく様子はあまり見えてきませんでした。こちらは主催者から、「時間が足りなかったことはわかっているし、もっと掘り下げていく」とフォローアップがあり、第2回も開催検討中とのこと。
オンラインは本当に難しい!わかっていたことですが……