Living Loving Leuven

溜池や ナマズ飛び込む 水の音

パースニップのシチュー

 すっかり春めいてきたLeuven。菜の花もすっかり満開に。
f:id:namazu_2021:20210504183606j:plain
 これまで原っぱだったところには、馬が放牧され始めました。近所に乗馬クラブがあるのです。
f:id:namazu_2021:20210504183552j:plain
 ヨーロッパの春野菜「パースニップ」の料理に挑戦しました。フランス語では「パネ」と呼ばれているようです。白いニンジンのような見た目で、食感は白カブのようで、味はとても甘いです。煮付けると、なぜかおでんのようなビジュアルになってしまいました。
f:id:namazu_2021:20210504183537j:plain
 とてもおいしかったです。マスタードをつけるとよく合いました。
 シチューのレシピはイナダシュンスケさんのツイートで紹介されていたものです。

[材料]
豚肉 100
玉ねぎ 100
じゃがいも 100
塩 3
水 300
ベイリーフ 適量
(分量は全て重量比)

[工程]
全部鍋に入れて弱火でコトコト90分
(仕上がり重量比450がベスト)

本当においしいのでこれ以外のもの一切入れちゃだめ!

 今回は豚肉の代わりに牛肉、じゃがいもの代わりにパースニップを使いました。私はイナダさんのレシピは完成されているのでアレンジはしないようにしているんですが、今回はパースニップの味にトライするためにちょっと邪道。でも、しっかり味わえたので満足です。
 イナダさんは有名な南インド料理店「エリックサウス」の料理長で、レシピ本もお出しになっています。私はこちらの本は日本から持ってきています。

 まだ、手元にスパイスが揃っていないのですが、近々、アントワープに買い出しに行く予定です。

日本のゼミにオンライン参加

 実は、私がOBとして参加している日本の某大学の大学院ゼミが、COVID19の影響でオンライン開催になっているので、遠隔から参加しています。ちょうど時差がいい具合で、こちらの午前10時ごろから始まるので助かります。ウィーンにも、同じく学振PDをしている人がいるので、日本のゼミに二人もヨーロッパから参加。オンラインならではですね。
 今回は、私から英語論文の報告をして検討会をやってもらいました。さすがに日本語だと、質問やコメントの受け答えもスムーズにできますし、踏み込んだ繊細な議論はこちらのほうがやりやすいです。今後の研究の課題なども話し、進捗報告となりました。
 こればかりは「オンラインがあってよかった」と思う出来事でした。ただし、現地の大学院生にとっては、オンラインの弊害があることもひしひしと感じています。ある程度「慣れている人」にはオンラインは遠隔からでも十分に使えるツールですが、「初めての人」「知り合いが少ない人」には過酷。結局、ビギナーが損する感じになってしまうのが、オンラインの最大の難点だとは思います。

アーティチョークを茹でる

 私のヨーロッパの憧れの食べ物・アーティチョークを買いました。こちらの春の味覚の代表です。
f:id:namazu_2021:20210504181610j:plain
 最近では日本でもレストランで食べることはできますし、頑張れば生も手に入るようですが、なかなかの敷居の高さ。ここではスーパーの宅配で気軽に頼めるので注文しました。
 レシピは、オーブンで焼いたものが美味しそうですが、私は一番簡単な「塩茹で」で食べています。マルチクッカーに、水とレモンと塩を入れて蓋をして1時間ほど煮ます。
f:id:namazu_2021:20210504181621j:plain
 アーティチョークは可食部が限られていて、一枚ずつこのガクを外して根元を歯でしごいて食べます。里芋みたいな味わい。
f:id:namazu_2021:20210504181636j:plain
 中心部までくると、ナイフで縦に半分に切ります。このフワフワした綿毛は食べられないので、スプーンでえぐって取り除きます。
f:id:namazu_2021:20210504181649j:plain
 そして、一番美味しいとされるのが、根本の部分。なんという見栄えのしない食べ物!でも、ねっとりしてカニミソみたいな味がして大変おいしいです。
f:id:namazu_2021:20210504181616j:plain
 食べた後のガラの多さも、茹でカニに似てる?
f:id:namazu_2021:20210504181630j:plain
 独特の風味なので、「春になったらアーティチョーク」という人が多いのはわかります。私はすでに2度も食べて、今週も注文しています。

オンライン・ミーティング&オンライン・ウェビナー

 私の入っている、こちらの某団体のワーキング・グループのミーティングでした。半年くらい前に、日本にいるときに参加し始めました。もちろん、私は英語での研究グループは初めて。最初は自己紹介もままならず絶望的な気持ちになっていましたが、だいぶん議論の大枠くらいは掴めるようになってきました。そもそも、日本語でも、全く知らない人の研究背景や話し方の癖を理解するには時間がかかるものだし、仕方ないですが、まだ細部はよくわからず。
 いつも沈黙してしまっていたのですが、今回は勇気を出して質問してみたけれど、とんちんかんだったようで、一瞬、画面の向こうで司会の先生が止まってしまいました。すぐにフォローして「大事な点だよね」と言ってくれたし、他の人もチャットで「重要な点だよ!」とコメントしてくれたけど、私自身は、そのあとの議論の流れのなかで、自分が全く要点を外した話をしていたことに気づいて、「ああああ、やってしまったあ」と赤面でした。
 しかし、話してみないと、議論に参加できるようにはならないし、日本語でもいつもポイントを掴んだ発言をできるわけではないので、「参加してみたことが一歩前進」だと思うことにしました。
 そのあと、ウェビナー(発言機会のないセミナー)に参加。一人目の講演者は、スイス出身だそうでノンネイティブなのもあるのか、全てスライドに英文を書いていました。このスタイルは大変ありがたいです。逆に二人目はいわゆるTEDのようなプレゼンで、げんなり。米国を中心に世界的に流行しているスタイルですが、私は個人的に、研究者は論理またはデータによって正当性を示すべきで、「話術」によって説得しようとする姿勢はあまり良いと思いません。今回も古臭い資料をもとに、無神経な報告をする人だったので、私のTED嫌いが強化されました。ノンネイティブのためにも、プレゼンではシンプルに淡々と話して欲しいと思っています。
 私のお世話になっている研究者のIは、コメンテーターだったのですが、いつも通り素晴らしいサマリーと質問をしていたので、そこは満足でした。

久しぶりの更新&ブログ名変更

 やっとブログもまとめて更新できました。4/16から順不同で更新したので、気になる方は遡って読んでみてください。いっぱい書いたよ!
 それから、ブログ名を変更しました。Living in Leuvenは別の方の、充実したブログのタイトルになっておりました。(同じくKU Leuvenに滞在された研究者のブログのようです)
livinginleuven2012.blogspot.com
 別に同じタイトルでもよかったのですが、特に思い入れがあったわけでもないので、「Living Loving Leuven」に変更。韻を踏んでるような、そうでもないような。

到着してすぐに、買ってよかったもの

 ベルギーに到着して3週間が経過しました。私は自己隔離中から、通販で生活用品を着々と買い揃えてきました。Airbnbで借りた部屋で暮らしているので、基本的な家電や家具は揃っているのですが、なんだかんだ、たくさん買いものしてしまいました。特によかったものをご紹介します。
 ちなみにアマゾンで買ったものが多いです。ベルギーにはアマゾンはないんですが、ドイツからほとんどの商品は関税なしで輸入できます。プライム会員になれば送料がかからない商品が多いです。

(1)マルチクッカー

www.amazon.de
 買ってよかったものNo.1です。炊飯器のような見た目ですが、私はバスマティライスを愛用しているため、米はこれで炊いたことはありません*1。ひたすら、野菜と肉(ベジタリアンミート含む)と水、調味料を入れて、シチューモードを押すだけ。できたあとは保温しておいてくれるので、昼頃に調理開始すれば夕食時には食べるだけです。
 正直、研究で資料を読んだり、原稿を書いたりしていると、夕食時には燃え尽きていてなにもしたくないのです。なので、朝か昼に支度をして、ピッと押しておいておけば、夜はなにもしなくてすみます。パンをかっておけば、それとスープでOK。最低限の自炊がキープできます。
 肉を焼いたり、野菜を蒸したりもできるようですが、私はまだそこまでたどりついていません。もちろん、シチューは肉がとろとろになるので、カルボナードやビーフシチューは最高の出来になります。マルチクッカーはこちらではたくさん出ていて、これは上位機種のほうなのですが、しっかりと蓋ができるところが気に入って選びました。さらにゴージャス版はNinjaというシリーズが出ています。
 なお、日本にお住まいの方は、高いけれどヘルシオのホットクック一択だと思います。めちゃくちゃ美味しいし、レシピにも幅があって、↑上のラッセルホブズとはレベルが違います。日本の世話焼き家電の最高峰だと思います。毎日疲れ果ててる料理担当者は迷わず買うべき。(その代わり高いのだけど!!)

 おすすめレシピはこれです。最高です。 私は代わりに、こちらのレシピを日本から送ってもらいました。来週あたりは挑戦したいな。

(2)ヨガマット

www.amazon.de
 ちょっとゴムの匂いがしますが、絵柄が可愛いのと滑り止めがついているので買いました。以下から日本でも買えますね!でも絵がついてるのはないのか。それでも色のバリエーションがたくさんあって選ぶのが楽しいです。

 時間があればヨガをするようにしてます。自己隔離中はもちろん、こちらはロックダウンも多いですし、何より気分転換になります。筋トレやダンスの動画を見ながら自主トレもしてます。異国でひとりきりでずっと自宅待機だと、どんどん自分の脳内の世界にこもっていく傾向があるので、体を動かす習慣は大事だと思っています。

(3)フットバス

 これは英国で買って、わざわざ持ち帰って、ベルギーまで送ってもらったもの。どんだけ、私が風呂好きかがよくわかることでしょう。日本の↓の商品がほぼ同じものです。

 こちらでは、バスタブのついているおうちを借りるというのは、かなり難しいです。(ユニットバスですら超贅沢なのです)立ってシャワーを浴びるだけの狭いブースで精一杯。なので、私はシャワーを浴びる前に、バスローブに着替えて、ヒマラヤバスソルトエッセンシャルオイルを入れたフットバスでゆっくりすることにしています。音楽を聴きながら足をバブルでボコボコしてると、なかなか贅沢な気分になります。
 これだけ頑張っても「バスタブ〜、バスタブに浸かりたいよう」と思い、ちょっといいホテルに行くための予約サイトを延々と見てしまうんですが。早く国境を越えた旅行に行きたいです。

(4)珪藻土のバスマット

www.amazon.de
 お風呂シリーズ。こちらは湿度が低いのでカビなどにあまり気を使わないようですが、織物のバスマットを常用するのは抵抗があるので、ちょっと高いけど買いました。日本なら以下のようにいくらでも選べるんですが、こちらではノーチョイスで↑の商品でした。珪藻土バスマットは、ニトリアスベスト騒動もあったので、もし日本で買うならちょっと良いものにしたほうがいいかもしれません。

(5)BRITAの浄水ポット

 ヨーロッパでは当たり前に売っているBritaです。これは近くのスーパーで買いました。水に石灰質が多く含まれているし、私はちょっと味が気になったので愛用しています。日本でも買えますが、もっと優秀な蛇口につける浄水器がいっぱいあるかな?

 こんな感じで、まだ生活が安定しないうちに「贅沢かなあ」と思いつつ、買ってみて正解だったものです。このほかにも何かと生活用品で「あれがない」「これがない」となって、初期投資はそれなりにかかって、カードの請求がすごいことになっていますが、しばらく落ち着くまでは仕方ないかな、と思っています。在宅ワークでずっと家にいますしね……

*1:中国からの留学生のレビューによれば、米も美味しく炊けるようです。

オーステンド(Oostende)の海岸

 初めての週末の遠出はオーステンド(東の果て)でした。研究者のBに、「ビーチにはもう行った?」と、「行くのが当然」のごとくきかれ、オススメのビーチまで聞いてしまったので、1時間半も鉄道に乗って行ってきました。現地の人の文化に合わせて遊びにいくのは大事だと思うので。しかし、春の海は寒いだろうなあ、とゴアテックス上着に、ウールのストールを巻いていったのですが正解でした。毛糸の帽子も必要だったなあ。
 オーステンドからは海岸沿いにトラムが走っています。どうやって買うのかよくわからなかったのですが、駅にある事務所でチケットを買うか、乗ってからデビットカードApple Payで料金を支払うようです。片道でも往復でも値段は同じでした。2.5ユーロもするので「高っ」と思いましたが、1時間乗ってもそれくらいの値段なので遠乗りするならお得です。
 初めに行ったのはブランケンベルグ(Blankenberge)です。ここは本来ならば観光の中心地で、ピア(桟橋)もあります。水族館もありますが、感染防止で閉鎖されています。
f:id:namazu_2021:20210425210823j:plain
 私が初めて長めに海外に滞在したのは、英国のブライトンだったのですが、そこにもピアと水族館がありました。その時も、スペインからの留学生に誘われてビーチに行って、パックに入った赤ワインにコカコーラを入れて飲みました。楽しかったけど、「寒い、みんななぜ、こんな寒いビーチに来るのか」と思ったのが印象に残っています。6月のイングランドの南端でも寒かったので、4月のベルギーの北端にある海岸なら言うまでもありません。とにかく寒い。そして、味噌汁みたいな色の海。
f:id:namazu_2021:20210425210846j:plain
 アオサの味噌汁が飲みたくなりました。瀬戸内の遠浅の温泉みたいな夏の海で育った私には、北海の風の吹き荒ぶビーチの良さはなかなか理解し難いものがあります。京都で花見をするようなものですかね。あれも桜を見て寒さに耐える行事だと私は思っているところがあります。つまり、私は寒さに弱い。
f:id:namazu_2021:20210425210831j:plain
 しかも、コロナ渦でビーチは閑散としていて、ロックダウンでカフェもレストランも閉鎖されています、立ち並ぶリゾートマンションの空室の張り紙も目立ちます。きっと、Airbnbなどの個人オーナーを見込んで多くの新築や改装マンションが建ったのでしょう。どうなるのか、ベルギーの経済。
 テイクアウトのお店も、閑散としています。いくつか、ハンバーガーとポテトフライのお店はやっているのですが、お客さんも「ここしかやってないから、買った」という顔で食べています。これは海の家の焼きそばを買うようなものだと割り切るべきかと思いますが、諦めずに歩いていくといい感じのサンドイッチ屋さんがありました。
f:id:namazu_2021:20210425210838j:plain
 オーナーさんの女性はとても親切で、慣れない英語で丁寧に説明してくれたので、小エビのマヨ和えとトマトとゆで卵とピクルスをチョイス。それにカリッとしたパン。砂浜で砂だらけになって食べました。ビーチだもの。
 なんだか、そのまま帰る気になれなくて、隣のウェンドゥイネ(Wenduine)のビーチに移動しいます。いきなりいい感じになった!
f:id:namazu_2021:20210425210947j:plain
 ぶらぶらと浜辺を散歩。潮風に吹かれていると気持ちが穏やかになります。
f:id:namazu_2021:20210425210841j:plain
 やっと、「ビーチに来てよかった!」と思う心情になりました。
 ビーチを紹介する時に、Bが「私はこの浜辺がいいんだけど、ここは悪くない、ここはいくべき」とぶつぶつ言っていたのがよくわかりました。同じビーチでも全然雰囲気が違う!最後のウェンドゥイネならもう一回来たいな。まだいくつかのビーチも教えてもらっているので、再訪しよう思っています!
 トラムで駅に帰ってきて、鉄道を待つ時間にどうでもいいかんじの店で、どうでもいいかんじのワッフルを買いました。
f:id:namazu_2021:20210425212447j:plain
 どうでもいいかんじに美味しくて、「あ〜、ベルギーにいるわあ」と思いました。551の豚まんとか、どうでもいいかんじのたこ焼き屋に近いです。わざわざ人には勧めないんだけど、ついつい買っちゃう、この良さ。